朝、妻が「◯◯(伏せ字)が近くにいる!」と叫んだ。
妻はイングレスのスキャナーを見ている。
妻もイングレスをしているのだ。
ちなみに私よりレベルが高い。
◯◯氏とは、敵のエージェントである。
近くのポータルを破壊しているらしい。
彼は、美しい多重CFを作る。
時間をかけて作ったCFを彼に跡形もなく破壊される。
腹が立つ。
しかしその上に美しい多重CFが作られる。
見とれる。
多重CFなので、角を落とせばたくさんの経験値が手に入る。
おいしい。
でももったいない気もする。
そんな複雑な感情を抱かせるのが彼だ。
(これを読んで「ああ、あのエージェントね」とピンと来た人もいるかもしれない)
彼はよく夫婦の話題に上がっていた。
いったい何者なのか。
その謎の人物が、今、近くにいるのである。
「行っちゃう?」
「・・・(黙ってうなずく」
朝、7時。
これから出勤の準備をしなければならない。
物好き夫婦である。
車に乗る。
彼がいるらしいポータルの付近に到着。
車越しに近くの様子をうかがう。
いた!
スマホを持ってウロウロしている人がいる!
おっさんだ!
トレーナーを着た、ガタイのいいおっさんだ!
確認後、すぐその場を離れる。
車を降り、駐車場を歩きながら話す。
妻「思ったより普通だったね。
あなたはどうだった?イメージと比べて」
私「うーん、オレはねえ、理系なイメージだったんだよな。
細くて、色白で、メガネかけてて、爬虫類顔で・・・」
妻「あ、今すれ違ったみたいな人?」
私「そうそう!
はっ?!
今のが◯◯氏じゃねえ?!
さっきのはおとりで、今のが本物の◯◯氏じゃねえ?!」
妻「どんだけ妄想たくましいんだよ」
イングレスは厨二ゴコロをくすぐるのだ。
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